TG-40 開発の経緯

TG-40 は、 2008年に筆者 (JR3TGS 稲田) が設計し、”アマチュア無線応援団キャリブレーション”から発売された
7MHz 1W CW トランシーバ・キット "TGS-40C" がルーツになっています。
tgs-40c_in_2008   2008年にキャリブレーションから発売された"TGS-40C"の基板
"TGS-40C"は、大きな基板 (140mm x 141mm)、大きな抵抗 (L=6.3mm) を採用し、作り易さを優先した設計となっていました。
ボリュームチューニング方式 DDS VFO、無調整タンク回路レス IF アンプ、ヒス音低減 AF アンプ、クリック音低減フルブレークインなどは、"TGS-40C" が最初に搭載したユニークな回路方式です。

しかしながら、"TGS-40C" は、発売から既に10年以上が経過し、部品のディスコンや、"キャリブレーション" 自体の閉店などで、現在では
キットの販売は終了しています。

近年はディスクリート部品 (リード足付き部品) がどんどんディスコンとなり、チップ部品に置き換わっているのが現状で、自作派といえども、
チップ部品を避けて通れない状況になりつつあります。
更に平成17年12月施行の新スプリアス規格により、アマチュアが作る自作機にも従来より厳しい規格が適用されることになりました。

このような中で、スペアナなど特殊な測定器を持たないアマチュアであっても、新スプリアス規格に適合し、合法的に自作機が運用できるキットを
目指して回路をリニューアル、このたび TGeS LAB から TG-40 としてリリースすることになりました。

TG-40 は、自作派のスキルアップを図るため、あえて一部にチップ部品を採用しています。
もはやチップ部品を避けていては、自作は出来ません。ディスコンになった古い部品を探し回るより、性能アップした新しいデバイス(チップ部品)
を取り入れていくべきと TGeS LAB では考えています。
ハンダづけスキルをアップさせてチップ部品にも慣れていくこと、この先、自作派が生き残るためにはこの道しかありません。

ハンダづけには自信があるけどチップ部品はなぁ~。。。と躊躇されている皆さん、先ずは、 TG-40 の製作を通じてチップ部品に慣れて
みて下さい。

なお、 TG-40 に採用しているチップコンデンサの大きさは 2012タイプ(2.0mm x 1.2mm) で、現在の主流からいうとまだまだ大きなサイズの部類になります。
近年、チップ部品もどんどん小型化されてきており、この 2012 タイプの部品も徐々に入手難となりつつあります。
例えば、スマホなどには、砂つぶより小さなチップ部品が採用されており、これは、もはや部品として認識できないほど小さなサイズのものです。

さすがに砂つぶより小さな部品を人間の手でハンダづけするのは無理がありますが、とは言え、今のところ (2022年現在) 比較的入手性の良い
1608タイプ(1.6mm x 0.8mm) 程度の部品は扱えるように、自作派としての技量を上げておきたいものです。

TG-40 の製作が、皆さんのスキルアップにつながれば幸甚です。