BS-720 不要発射 (スプリアス測定データ)

BS-720 は、平成17年12月施行の新スプリアス規格に準拠して設計していますので、JARD で保証認定を受けることができます。
以下に、弊社の7MHz QRP CWトランシーバ・キット TG-40 を入力に接続したときのスプリアス測定結果を示します。

なお、測定は50dBのアッテネータ(周波数特性~4GHz)を接続して行いました。
以下のデータのタテ軸は、50dBアッテネータの減衰量を補正した値になっています。
測定には、米国 Signal Hound 社の SDR スペアナ USB-SA44B を使用しました。

スプリアス測定データ [Vdd=12V]

スプリアス領域 (規格値 = -50dBc)
spurious 100kHz ~ 500MHz  RBW100kHz

spurious 100kHz ~ 100MHz  RBW100kHz

spurious 100kHz ~ 30MHz  RBW10kHz


100kHz ~ 30MHz の測定で2次、3次の高調波(マーカー4,5)は、-60dBc以下となっており、新スプリアス規格(-50dBc以下)を充分満足しています。
また、2次の高調波より低い周波数で出ているスペクトル(マーカー2,3,6,7,8)は、入力に接続した TG-40 から発射されているものです。
これらのスペクトルも -58dBc 以下となっており、規格を充分満足しています。
このように入力に接続した送信機(リグ)からのスプリアスも出力に現れるので、入力に接続する送信機(リグ)も新スプリアス規格を満足している必要があります。


帯域外領域 (±10kHz)とスプリアス領域の境界付近測定 (規格値 = -40dBc - 10Log(10kHz/300Hz) = -55.2dBc)
spurious 7015kHz ± 25kHz  RBW300Hz


帯域外領域 (規格値 = -40dBc - 10Log(10kHz/30Hz) = -65.2dBc)
spurious 7015kHz ± 10kHz  RBW30Hz


スプリアス規格では、30MHz 以下の測定の場合、参照帯域幅 (RBW) は 10kHz と規定されています。
RBW を 10kHz より狭くした場合は、下記の補正が必要です。(厳しい方向になります)

補正した規格値 = 元の規格値 - 10Log(10kHz / 観測で使用した RBW [Hz] )

ただし、観測されたスペクトルが観測に使用した RBW よりも狭帯域であれば補正は不要です。



   新スプリアス規格の規格値
参考までに平成17年12月施行の新スプリアス規格の規格値を示します。

30MHz 以下の周波数を使用するアマチュア局、CW (A1A) の場合
規格値参照帯域幅 (RBW)備考
帯域外領域(±10kHz)1W 以下 100uW規定無しスペクトル毎の先頭電力の平均値を測定値とする
1W を超えるもの -40dBc
スプリアス領域(±10kHz の外側)5W 以下 50uW10kHz (150Hz~30MHz) 100kHz (30MHz~1GHz)
5W を超えるもの -50dBc

* 帯域外領域での RBW に規定が無いことから、この領域での位相雑音は実質的に不問となる。

    位相雑音:キャリアの両側に出来るすそ野 (スカート部) のこと。RBW を狭くしてゆくと、すそ野のレベルがどんどん低くなっていく。